“育(そだて)” の例文
父母寵愛して恣(ほしいまま)に育(そだて)ぬれば、夫(おっと)の家に行て心ず気随にて夫に疏(うとま)れ、又は舅の誨(おし)へ正(ただし)ければ堪がたく思ひ舅を恨(うらみ)誹(そし)り、中(なか)悪敷(あしく)成て終には追出され恥をさらす。
女大学評論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
庭の外には、幾十株松を育(そだて)てある土地があったり、雑多の庭木を植つけてある場所があったりした。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
ば寶澤(はうたく)と改めける感應院は元より妻も子もなく獨身(どくしん)の事なる故に寶澤を實子(じつし)の如く慈(いつくし)みて育(そだて)けるが此寶澤は生(うまれ)ながらにして才智(さいち)人に勝(すぐ)れ發明(はつめい)の性質なれば讀經(どくきやう)は云(いふ)に及(およば)ず其他何くれと教(をしゆ)るに一を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
一期(ご)として病死(びやうし)しけるにより主税之助は養父の頼の通り兄弟の内に家督(かとく)繼(つが)せんと我が子の如く愛(いつく)しみ育(そだて)しが其中に主税之助も實子を儲け名を佐(すけ)五郎と呼び寵愛(ちようあい)淺(あさ)からず何時しか先代平助の遺言(ゆゐごん)を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
咄(はな)しけるに母のおもせは眞赤(まつか)になり夫は以ての外の事夫(をつと)なき後は我等が育(そだて)あげし文藏なれば母親の甘(あま)く育しと言れては世間の手前濟難(すみがたく)殊には又畜生同然の遊女などに迷(まよ)ひては先祖(せんぞ)へ對しても申譯なしと大に怒(いか)りしを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)