肘枕ひぢまくら)” の例文
富岡は炬燵こたつに寝そべつて肘枕ひぢまくらをしてゐたが、まぶたのなかに、暗い森林のやうなものが浮んだ。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
わたし休屋やすみや宿やどえんに——ゆかたかく、座敷ざしきひろし、ふすまあたらしい——肘枕ひぢまくらしてながめてた。
十和田の夏霧 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
錢形の平次は、肘枕ひぢまくらを解くと、起直つてたしなみの襟などを掻き合せます。
一昨年いつさくねんときは、翌日よくじつ半日はんにち、いや、午後ごご時頃じごろまで、ようもないのに、女中ぢよちうたちのかげあやし氣勢けはひのするのがおもられるまで、腕組うでぐみが、肘枕ひぢまくらで、やがて、夜具やぐ引被ひつかぶつてまでおもひ、なや
雪霊記事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)