あみ)” の例文
十一二のあみさげで、そでの長いのが、あとについて、七八ツのが森の下へ、うさぎと色鳥ひらりと入った。葭簀ごしに、老人はこれを透かして
白金之絵図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
私などもあみあげ靴のひもを結び直したばかりに、やはり他社のものに先をこされて、あやうく首切られそうになったかなしい経験がございます。
虚構の春 (新字新仮名) / 太宰治(著)
夫人があみさしの韈を膝の上に引伸ばしてじつと良人の足と見比べてゐると、後から右肩をちよい/\つゝくものがある。
そりを引てたきゞきることいひあはせてゆくときは、二三人のしよくを草にてあみたる袋にいれてそりにくゝしおくことあり。山烏やまからすよくこれをしりてむらがりきたり、袋をやぶりてしよく喰尽くらひつくす。
短かい髪を二ツにけて、三ツあみのお下げにし、華やかな洋装となった錦子の学校通いは、神田、本郷の書生さんたちの血を沸騰させた。美妙斎の食指のムズムズしないわけはない。
田沢稲船 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
そしてつっかけるようにあみあげくついて、階段をころがるように下りていった。
○○獣 (新字新仮名) / 海野十三(著)
またお供の李逵りきといえば、これは道者の稚子ちごと化けて、バサラ髪を二つに分けた総角あげまきい、着物は短褐たんかつという袖無しの短いはかま、それへあみの細ヒモ締めて、足は元来の黒い素はだし
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そりを引てたきゞきることいひあはせてゆくときは、二三人のしよくを草にてあみたる袋にいれてそりにくゝしおくことあり。山烏やまからすよくこれをしりてむらがりきたり、袋をやぶりてしよく喰尽くらひつくす。