純潔じゅんけつ)” の例文
御身おんみるとおり、こちらの世界せかいではこころ純潔じゅんけつな、まよいのすくないものはそのまま側路わきみちらず、すぐに産土神うぶすなのかみのお手元てもときとられる。
遊びのはてにするこの精算は私の心に美しいもの純潔じゅんけつなものをもたらした。子どもでありながらなんといじらしいことをしたものだろう。
花をうめる (新字新仮名) / 新美南吉(著)
取扱わるる題目だいもくは、ことごと高尚こうしょう純潔じゅんけつなものばかり、そして他人に示すよりも、私自身の指南車しなんしゃとしてよいものばかりであった。
その白いうなじに、坂本は接吻せっぷんしたい誘惑ゆうわくはげしく感じたが、二人の純潔じゅんけつのために、それをも差しひかえて、右の手をばし、豊穣ほうじょうな彼女の肉体を初めて抱きしめたのである
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
そして又、その時ほど梅の花が純潔じゅんけつに、気高けだかく見えることは無いのです。
季節の植物帳 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
が、このとしてはそうした方便ほうべん必要ひつよう毛頭もうとうなく、もともと純潔じゅんけつ小供こども修行しゅぎょうには、最初さいしょから幽界ゆうかい現実げんじつ目覚めざめさせるにかぎるのじゃ。