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紋緞子
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もんどんす
ふりがな文庫
“
紋緞子
(
もんどんす
)” の例文
寝台は色あせてはいたが、豪華な
紋緞子
(
もんどんす
)
で、高い
天蓋
(
てんがい
)
がついており、張出し窓と反対側の壁のくぼみのなかにあった。
クリスマス・イーヴ
(新字新仮名)
/
ワシントン・アーヴィング
(著)
これは黒い
紋緞子
(
もんどんす
)
に、匂の好い
白蘭花
(
パレエホア
)
を挿んだきり、全然何も着飾っていない。その年よりも地味ななりが、涼しい瞳の持ち主だけに、如何にも清楚な感じを与えた。
上海游記
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
尽
(
ことごと
)
く
窓帷
(
カアテン
)
を引きたる十畳の
間
(
ま
)
は
寸隙
(
すんげき
)
もあらず
裹
(
つつ
)
まれて、火気の
漸
(
やうや
)
く春を蒸すところに、宮は
体
(
たい
)
を
胖
(
ゆたか
)
に
友禅縮緬
(
ゆうぜんちりめん
)
の
長襦袢
(
ながじゆばん
)
の
褄
(
つま
)
を
蹈披
(
ふみひら
)
きて、
緋
(
ひ
)
の
紋緞子
(
もんどんす
)
張の
楽椅子
(
らくいす
)
に
凭
(
よ
)
りて
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
老人が
紫檀
(
したん
)
の書架から、
恭
(
うやうや
)
しく取り
下
(
おろ
)
した
紋緞子
(
もんどんす
)
の古い袋は、何だか重そうなものである。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「絵だけ描いていれぱ、当人も世間も助かるものを、紫の
太緒
(
ふとひも
)
を胸高々と、
紋緞子
(
もんどんす
)
の
袴
(
はかま
)
を
引摺
(
ひきず
)
って、
他
(
ひと
)
が油断をしようものなら、白襟を重ねて出やがる。歯茎が
真黒
(
まっくろ
)
だというが。」
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
長押作
(
なげしづく
)
りに重い
釘隠
(
くぎかくし
)
を打って、動かぬ春の
床
(
とこ
)
には、
常信
(
つねのぶ
)
の
雲竜
(
うんりゅう
)
の図を奥深く掛けてある。薄黒く墨を流した絹の色を、
角
(
かく
)
に取り巻く
紋緞子
(
もんどんす
)
の
藍
(
あい
)
に、
寂
(
さ
)
びたる時代は、
象牙
(
ぞうげ
)
の軸さえも落ちついている。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
紋
常用漢字
中学
部首:⽷
10画
緞
漢検1級
部首:⽷
15画
子
常用漢字
小1
部首:⼦
3画
“紋”で始まる語句
紋
紋着
紋付
紋附
紋所
紋服
紋縮緬
紋日
紋様
紋切形