“もんどんす”の漢字の書き方と例文
語句割合
紋緞子100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
老人が紫檀したんの書架から、うやうやしく取りおろした紋緞子もんどんすの古い袋は、何だか重そうなものである。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「絵だけ描いていれぱ、当人も世間も助かるものを、紫の太緒ふとひもを胸高々と、紋緞子もんどんすはかま引摺ひきずって、ひとが油断をしようものなら、白襟を重ねて出やがる。歯茎が真黒まっくろだというが。」
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
長押作なげしづくりに重い釘隠くぎかくしを打って、動かぬ春のとこには、常信つねのぶ雲竜うんりゅうの図を奥深く掛けてある。薄黒く墨を流した絹の色を、かくに取り巻く紋緞子もんどんすあいに、びたる時代は、象牙ぞうげの軸さえも落ちついている。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)