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稲荷鮨
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いなりずし
ふりがな文庫
“
稲荷鮨
(
いなりずし
)” の例文
旧字:
稻荷鮨
美音で思い出したが、
十軒店
(
じっけんだな
)
にも治郎公なぞと呼んでいた鮨屋が、これも
美
(
い
)
い声で淫猥な唄ばかり歌って、好く
稲荷鮨
(
いなりずし
)
を売りに来たものだった。
梵雲庵漫録
(新字新仮名)
/
淡島寒月
(著)
のみならずその木の根元には子供を連れたお
婆
(
ばあ
)
さんが二人
曇天
(
どんてん
)
の大川を眺めながら、花見か何かにでも来てゐるやうに
稲荷鮨
(
いなりずし
)
を食べて話し合つてゐた。
本所両国
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
と、
十軒店
(
じっけんだな
)
の治郎さんの、
稲荷鮨
(
いなりずし
)
が流してくるようにならなければ、おでんやや、
蠑螺
(
さざい
)
の
壺焼
(
つぼやき
)
やも出なかった。
旧聞日本橋:23 鉄くそぶとり(続旧聞日本橋・その二)
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
夜店の茶飯屋で一人はあんかけ豆腐で茶飯をかき込む、一人は
稲荷鮨
(
いなりずし
)
を腹いっぱい詰め込んで
大菩薩峠:21 無明の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
新しい
莚
(
むしろ
)
、
筍掘器
(
たけのこほり
)
、天秤棒を買って帰る者、
草履
(
ぞうり
)
の材料やつぎ切れにする
襤褸
(
ぼろ
)
を買う者、古靴を
値切
(
ねぎ
)
る者、古帽子、古洋燈、
講談物
(
こうだんもの
)
の古本を冷かす者、
稲荷鮨
(
いなりずし
)
を
頬張
(
ほおば
)
る者
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
▼ もっと見る
そうして
油揚
(
あぶらげ
)
の胴を
干瓢
(
かんぴょう
)
で
結
(
いわ
)
えた
稲荷鮨
(
いなりずし
)
の
恰好
(
かっこう
)
に似たものを、上から下へ落した。彼は
勾欄
(
てすり
)
につらまって何度も下を
覗
(
のぞ
)
いて見た。しかし誰もそれを取ってくれるものはなかった。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
日頃顔を見知った
八百屋
(
やおや
)
夫婦も、本町から市町の方へ曲ろうとする角のあたりに陣取って青い顔の亭主と肥った
内儀
(
かみさん
)
とが互に
片肌抜
(
かたはだぬぎ
)
で、
稲荷鮨
(
いなりずし
)
を
漬
(
つ
)
けたり、
海苔巻
(
のりまき
)
を作ったりした。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
初午
(
はつうま
)
の日には
稲荷鮨
(
いなりずし
)
など取寄せて、母子のような
寛
(
くつろ
)
ぎ方で食べたりした。
老妓抄
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
売声
(
うりごえ
)
で今一つ明治前に名高かったのは、
十軒店
(
じっけんだな
)
の治郎公というのが、
稲荷鮨
(
いなりずし
)
を夜売り歩いた。この治郎公は爺でしたが、声が馬鹿に好い、粋な
喉
(
のど
)
でしたので大流行を極めた。
江戸か東京か
(新字新仮名)
/
淡島寒月
(著)
初午
(
はつうま
)
の日には
稲荷鮨
(
いなりずし
)
など取寄せて、母子のような
寛
(
くつろ
)
ぎ方で食べたりした。
老妓抄
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
稲
常用漢字
中学
部首:⽲
14画
荷
常用漢字
小3
部首:⾋
10画
鮨
漢検1級
部首:⿂
17画
“稲荷”で始まる語句
稲荷
稲荷様
稲荷町
稲荷山
稲荷鮓
稲荷神社
稲荷大明神
稲荷詣
稲荷下
稲荷堂