“売声”のいろいろな読み方と例文
旧字:賣聲
読み方割合
うりごえ66.7%
うりごゑ33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
浅井忠の板下を描いた当世風俗五十番歌合というものに、「風ひきめまいの大奇薬、オッチニイ」とその売声うりごえが註にしてある。
巷の声 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
売声うりごえで今一つ明治前に名高かったのは、十軒店じっけんだなの治郎公というのが、稲荷鮨いなりずしを夜売り歩いた。この治郎公は爺でしたが、声が馬鹿に好い、粋なのどでしたので大流行を極めた。
江戸か東京か (新字新仮名) / 淡島寒月(著)
続いて魯西亜ロシヤのパン売り。其の売声うりごゑを珍しさうに真似する子供の叫びが此方こなたから彼方かなたへと移つて行くので、パン売りは横町を遠くへと曲つて行つた事が能くわかる。
花より雨に (新字旧仮名) / 永井荷風(著)