売声うりごえ)” の例文
旧字:賣聲
浅井忠の板下を描いた当世風俗五十番歌合というものに、「風ひきめまいの大奇薬、オッチニイ」とその売声うりごえが註にしてある。
巷の声 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
売声うりごえで今一つ明治前に名高かったのは、十軒店じっけんだなの治郎公というのが、稲荷鮨いなりずしを夜売り歩いた。この治郎公は爺でしたが、声が馬鹿に好い、粋なのどでしたので大流行を極めた。
江戸か東京か (新字新仮名) / 淡島寒月(著)