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稲田
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いなだ
ふりがな文庫
“
稲田
(
いなだ
)” の例文
旧字:
稻田
しかしある時、ヘルンが案内して連れ出した所は、暗い
闇夜
(
やみよ
)
の野道の中に、小高い丘があるばかりで、周囲は一面の
稲田
(
いなだ
)
であった。
小泉八雲の家庭生活:室生犀星と佐藤春夫の二詩友を偲びつつ
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
唯円 急ぎ
御上洛
(
ごじょうらく
)
あそばすよう
稲田
(
いなだ
)
へ使いを立てておいた。もう御到着あそばすはずになっている。もう
重
(
おも
)
なお
弟子
(
でし
)
たちには皆通知してあるのだ。
出家とその弟子
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
やがて車夫が
梶棒
(
かじぼう
)
を
下
(
おろ
)
した。暗い幌の中を出ると、高い石段の上に
萱葺
(
かやぶき
)
の山門が見えた。Oは石段を
上
(
のぼ
)
る前に、門前の
稲田
(
いなだ
)
の
縁
(
ふち
)
に立って小便をした。
初秋の一日
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
このほかに茨城県
稲田
(
いなだ
)
出生の小林三郎、これはまだ本の初めでありますから名前だけ記して置きます。
幕末維新懐古談:79 その後の弟子の事
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
登は
稲田
(
いなだ
)
と雑木林の間にある小さな
路
(
みち
)
を歩いていたが、処どころ路が
濡
(
ぬ
)
れていて
禿
(
ちび
)
た
駒下駄
(
こまげた
)
に泥があがって歩けないので、林の中に歩く処はないかと思って眼をやった。
雑木林の中
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
▼ もっと見る
黄金
(
こがね
)
色に輝く
稲田
(
いなだ
)
を渡る風に吹かれながら、少し熱いとは感じつつも
爽
(
さわや
)
かな気分で歩き出した。
蘆声
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
稲田
(
いなだ
)
の隣り福原という駅で汽車を棄て板敷山を南に越えて村に出る。自由大学の会員である二人の青年が出迎えてくれて、二台の自転車に私を挾むようにして暮れ方の坂道を登る。
加波山
(新字新仮名)
/
服部之総
(著)
おなじ場所では余り
沢山
(
たくさん
)
には殖えないものなのであろうか知ら? 御存じの通り、
稲塚
(
いなづか
)
、
稲田
(
いなだ
)
、
粟黍
(
あわきび
)
の実る時は、
平家
(
へいけ
)
の大軍を走らした
水鳥
(
みずどり
)
ほどの
羽音
(
はおと
)
を立てて、
畷行
(
なわてゆ
)
き、
畔行
(
あぜゆ
)
くものを驚かす
二、三羽――十二、三羽
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
といって、
近
(
ちか
)
くにある
稲田
(
いなだ
)
を三
町
(
ちょう
)
と、お
米
(
こめ
)
を
少
(
すこ
)
しくれました。そして
一本のわら
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
それから兄弟三人は、前よりも一層足を早めて、峠を
馳
(
か
)
け
下
(
お
)
りました。が、峠を下りましてから、都まではよほどあると見え、歩いても歩いても、黄色い
稲田
(
いなだ
)
が道の両側にいくらでも続いていました。
三人兄弟
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
その下の
稲田
(
いなだ
)
は
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
善鸞 私の母は
稲田
(
いなだ
)
のある武士の娘でした。父が
越後
(
えちご
)
にいる時に父の妻はなくなりました。父は諸方を巡礼して稲田に来て私の母の父の家に足を止め、稲田に十五年すみました。
出家とその弟子
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
渠
(
かれ
)
は
稲田
(
いなだ
)
雪次郎と言う——宿帳の上を
更
(
あらた
)
めて名を言った。画家である。
鷭狩
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
なにしろ
稲田
(
いなだ
)
の時からの長い御勘当でございますからね。
出家とその弟子
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
稲
常用漢字
中学
部首:⽲
14画
田
常用漢字
小1
部首:⽥
5画
“稲田”で始まる語句
稲田道
稲田新助
稲田登戸
稲田邦稙
稲田仙太郎
稲田大炊助
稲田九郎頼重