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私
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わつち
ふりがな文庫
“
私
(
わつち
)” の例文
成程
(
なるほど
)
善悪にや二つは無えが、どうせ盗みをするからにや、悪党
冥利
(
みやうり
)
にこの
位
(
くれえ
)
な陰徳は積んで置き
度
(
て
)
えとね、まあ、
私
(
わつち
)
なんぞは思つてゐやすのさ。
鼠小僧次郎吉
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
私
(
わつち
)
アお
前
(
めえ
)
にりん
病
(
びやう
)
が
起
(
おこ
)
つても
直
(
ぢき
)
に
療
(
なほ
)
る
禁厭
(
まじなひ
)
を
教
(
をし
)
へて
遣
(
や
)
らう、
縄
(
なは
)
を持つて
来
(
き
)
な、
直
(
ぢき
)
に
療
(
なほ
)
らア。主人「はてな…へえゝ。弥「
痳病
(
りんびやう
)
(
尋常
(
じんじやう
)
)に
縄
(
なわ
)
にかゝれと
云
(
い
)
ふのだ。 ...
にゆう
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
何様
(
どう
)
してやるにも遣り様なく、困りきつて
逃亡
(
かけおち
)
とまで思つたところを、黙つて親方から療治手当も為てやつて下された上、かけら半分叱言らしいことを
私
(
わつち
)
に云はれず、たゞ物和しく
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
「実際あの服は
私
(
わつち
)
がちよろまかしたに相違ありやせんが、先生の弁護を聞いてると、
何
(
ど
)
うやら
私
(
わつち
)
が盗んだつてえのも怪しくなつて来やした。事によつたら、
私
(
わつち
)
の仕事ぢや無かつたかも知れやせんぜ。」
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
一体あんな馬鹿野郎を親方の可愛がるといふが
私
(
わつち
)
には
頭
(
てん
)
から解りませぬ、仕事といへば馬鹿丁寧で
捗
(
はこ
)
びは一向つきはせず、柱一本
鴫居
(
しきゐ
)
一ツで嘘をいへば鉋を三度も
礪
(
と
)
ぐやうな
緩慢
(
のろま
)
な奴
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
▼ もっと見る
私
(
わつち
)
だつて何も盗つ人の肩を持つにや当ら無えけれど、あいつは懐の
暖
(
あつたけ
)
え大名屋敷へ忍びこんぢや、御手許金と云ふやつを
掻攫
(
かつさら
)
つて、その日に追はれる貧乏人へ恵んでやるのだと云ひやすぜ。
鼠小僧次郎吉
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
だが然し姉御、内の親方には眼玉を貰つても
私
(
わつち
)
は嬉しいとおもつて居ます、なにも姉御の前だからとて軽薄を云ふではありませぬが、
真実
(
ほんと
)
に内の親方は茶袋よりもありがたいとおもつて居ます
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
「いや、はや、飛んでも無えたはけがあるものだ。日本の
盗人
(
ぬすつと
)
の守り本尊、
私
(
わつち
)
の
贔屓
(
ひいき
)
の鼠小僧を何だと思つてゐやがる。親分なら知ら無え事、
私
(
わつち
)
だつたらその野郎をきつと張り倒してゐやしたぜ。」
鼠小僧次郎吉
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
“私”の意味
《人称代名詞》
(わたし、わたくし)一人称。
(出典:Wiktionary)
“私”の解説
私(し、わたくし)は、仕事場などの社会的集団の中における人間の属性と対比して、一個人としての属性を示すときに用いられる言葉である。
この意味における反対語は公(こう、おおやけ)である。例えば、「私用」は仕事に関係のない行動や物品を指し、「公用」はもっぱら仕事上の行動や仕事に用いる物品を指す。
(出典:Wikipedia)
私
常用漢字
小6
部首:⽲
7画
“私”を含む語句
私等
私語
私達
私通
私生児
私共
私宅
私室
私娼
私部
私刑
私窩子
歇私的里
私娼窟
私曲
私家
私怨
私事
私淑
私方
...