禪門ぜんもん)” の例文
新字:禅門
維盛卿は父に向ひ、『先刻祖父そふ禪門ぜんもん御勸おんすゝめありし宋朝渡來の醫師、聞くが如くんば世にも稀なる名手めいしゆなるに、父上のこばみ給ひしこそ心得ね』
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
町内第一ちやうないだいいち古老こらうで、こんしろ浴衣ゆかた二枚にまいかさねた禪門ぜんもんかね禪機ぜんき居士こじだとふが、さとりひらいてもまよつても、みなみいて近火きんくわではたまらない。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
宜道ぎだうからこの夢窓國師むさうこくし大燈國師だいとうこくしとは、禪門ぜんもん中興ちゆうこうであるとことをそはつたのである。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
それでも、たれもが、御老體ごらうたいすくはれたごとくにかんじて、こと/″\前者ぜんしや暴言ばうげんうらんだ。——ところで、その鐵棒かなぼうをついたでこがとふと、みぎ禪門ぜんもん一家いつか、……どころか、せがれなのだからおもしろい。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)