かむ)” の例文
「いそのかみ布留ふる神杉かむすぎかむさびて恋をも我は更にするかも」(巻十一・二四一七)、「うつつにもいめにも吾ははざりきりたる君に此処にはむとは」(同・二六〇一)等があり
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
天地の 分れし時ゆ かむさびて 高く貴き 駿河なる 布士ふじの高嶺を
二、三の山名について (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
荘も田舎にある持家のことでありその中には、かむなびの清き御田屋の垣津田の………といったように、神の田を作るために設けられたものもあろうが、他の多くは臨時の滞留の用意に過ぎなかった。
垣内の話 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
四方しほう板囲いたがこいにして、わずかに正面しょうめん入口いりぐちのみをのこし、内部なかは三つぼばかりの板敷いたじき屋根やね丸味まるみのついたこけらき、どこにも装飾そうしょくらしいものはないのですが、ただすべてがいかにもかむさびて、屋根やねにも
山川やまかはもよりてつかふるかむながらたぎつ河内かふち船出ふなでするかも 〔巻一・三九〕 柿本人麿
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)