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磨滅
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まめつ
ふりがな文庫
“
磨滅
(
まめつ
)” の例文
試験制度は、全く、彼等の想像力と空想力と冒険的精神を
磨滅
(
まめつ
)
さしてしまう。学校へはいると、もう子供の喜びは奪われてしまうのだ。
子供は虐待に黙従す
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
浜の
真砂
(
まさご
)
が
磨滅
(
まめつ
)
して
泥
(
どろ
)
になり、野の雑草の種族が絶えるまでは、災難の種も尽きないというのが自然界人間界の事実であるらしい。
災難雑考
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
その中にかくも多年の間こもってきたことは、なんと不名誉なことだろう! 彼は肉体が
磨滅
(
まめつ
)
してゆくのをながめて、こう考えた。
ジャン・クリストフ:12 第十巻 新しき日
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
生い茂った草のなかに大きい碑が倒れていましたが、その碑はもう
磨滅
(
まめつ
)
していて、なんと彫ってあるのか判りませんでした。
中国怪奇小説集:05 酉陽雑爼(唐)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
知って
放擲
(
ほうてき
)
したか、思い上がりが
磨滅
(
まめつ
)
させたか、とまれ謙虚を失ったのは、一代あれほど
蓄
(
たくわ
)
えて来た知識をすべて
鼠
(
ねずみ
)
に喰わせてしまったようなものだ。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
して見ると四角な世界から常識と名のつく、
一角
(
いっかく
)
を
磨滅
(
まめつ
)
して、三角のうちに住むのを芸術家と呼んでもよかろう。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
しかるにパリーの浮浪少年は、あえて言うがパリーの浮浪少年は、表面いかにも
磨滅
(
まめつ
)
され痛められてはいるが、内部においてはほとんど純全たるままである。
レ・ミゼラブル:06 第三部 マリユス
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
蜘蛛
(
くも
)
のようにその肩から六本の手を出したこの異様な偶像は、あたりの静寂を一層強めるばかりでなく、その
破損
(
はそん
)
磨滅
(
まめつ
)
の彫刻が、荒廃の跡に対して
誰
(
た
)
れもが感ずる
曇天
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
三行書
(
みくだりが
)
きの中奉書は
卯
(
う
)
の年の
七夕
(
たなばた
)
、
粘墨
(
ねばずみ
)
に固まりて
反
(
そ
)
れたる黒毛に
殕
(
かび
)
つきたるは吉書七夕の清書の棒筆、
矢筈
(
やはず
)
に
磨滅
(
まめつ
)
されたる墨片は、師匠の
褒美
(
ほうび
)
の清輝閣なり、彼は
曰
(
い
)
えり
空家
(新字新仮名)
/
宮崎湖処子
(著)
おぬしの専門は南蛮鋳物じゃが、金物なら木彫りよりはなお
磨滅
(
まめつ
)
するうれいもなしな。
青銅の基督:――一名南蛮鋳物師の死――
(新字新仮名)
/
長与善郎
(著)
その打算のするどさを、やうやく本能が
磨滅
(
まめつ
)
して、その不足を理性の力でおぎなふことに懸命な大人の打算にくらべてみれば、その質の上の差は一見して明瞭といはなければならない。
少年
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
けれども、彼らは、恐ろしく
磨滅
(
まめつ
)
して来た。いわゆる「焼けて」来たのであった。
海に生くる人々
(新字新仮名)
/
葉山嘉樹
(著)
医者も施す
術
(
すべ
)
がなかった。病勢は非常に激烈だったし、アントアネットの身体は、長年の過労のためにすっかり
磨滅
(
まめつ
)
していた。
ジャン・クリストフ:08 第六巻 アントアネット
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
汽車
(
きしゃ
)
や、
線路
(
せんろ
)
は、
鉄
(
てつ
)
で
造
(
つく
)
られてはいますが、その
月日
(
つきひ
)
のたつうちにはいつかはしらず、
磨滅
(
まめつ
)
してしまうのです。みんな、あなたに
征服
(
せいふく
)
されます。
ある夜の星たちの話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
はきごこち、踏みごこちの柔らかであるということは、結局
磨滅
(
まめつ
)
しやすいということと同じことになるのではないか。
試験管
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
磨滅
(
まめつ
)
した心棒にしてしまうのであった。
海に生くる人々
(新字新仮名)
/
葉山嘉樹
(著)
友があれば生き
甲斐
(
がい
)
が出てくる。友のために生きるようになり、時の
磨滅
(
まめつ
)
力にたいして自分の保全をつとめるようになる。
ジャン・クリストフ:09 第七巻 家の中
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
だれが考えたものか知らないが、この鉄片はとにかく靴のかかとの
磨滅
(
まめつ
)
を防ぐために取り付けたものには相違ない。
試験管
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
そういう宿命観が彼女の身体を支持していた。愛は彼女の心を支持していた。そして自分の生命が
磨滅
(
まめつ
)
してしまった今では、クリストフのうちに生きていた。
ジャン・クリストフ:12 第十巻 新しき日
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
また物体の
磨滅
(
まめつ
)
の現象からも、目に見えぬ微小部分が存するゆえんが引証されている。
ルクレチウスと科学
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
私はもう
噛
(
か
)
みつきません。私の歯は
磨滅
(
まめつ
)
しています。芝居へ行きましても、私はもう無邪気な観客のように、役者をののしったり
叛逆
(
はんぎゃく
)
者を侮辱したりはいたしません。
ジャン・クリストフ:12 第十巻 新しき日
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
あらゆる観念は、民主国では早く
磨滅
(
まめつ
)
する。その
伝播
(
でんぱ
)
が早ければ早いほど磨滅も早い。
ジャン・クリストフ:11 第九巻 燃ゆる荊
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
社交界の
萎靡
(
いび
)
的影響を受けて、たちまちのうちに精力は鈍くなり、独特な性格は
磨滅
(
まめつ
)
してゆく。クリストフは芸術家らのうちに、多くの死んだ者や死にかけてる者に出会って驚いた。
ジャン・クリストフ:10 第八巻 女友達
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
それは、教師の生活——けっして
止
(
とど
)
まりもせず進みもせず同じ場所で回転してる車のように、前日と同じ日が毎日繰り返されてゆく勤労の生活、その生活から
磨滅
(
まめつ
)
された結果であった。
ジャン・クリストフ:10 第八巻 女友達
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
身体が
磨滅
(
まめつ
)
して、もはや人生から何も期待しなくなると、私心なき情緒が自由に動いてくる。そして子供らしい涙の泉が開けるのである。オリヴィエはいろんなつまらない事に気をとられていた。
ジャン・クリストフ:08 第六巻 アントアネット
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
“磨滅”の意味
《名詞》
磨滅(まめつ 「摩滅」の「同音の漢字による書きかえ」)
「摩滅」の別表記。
(出典:Wiktionary)
磨
常用漢字
中学
部首:⽯
16画
滅
常用漢字
中学
部首:⽔
13画
“磨滅”で始まる語句
磨滅下駄