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硝子越
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がらすごし
ふりがな文庫
“
硝子越
(
がらすごし
)” の例文
小箪笥
(
こだんす
)
の上に飾つた箱の中の京人形は、蠅が一斉にばら/\と
打撞
(
ぶつか
)
るごとに、
硝子越
(
がらすごし
)
ながら、其の鈴のやうな美しい目を
塞
(
ふさ
)
いだ。
蠅を憎む記
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
美禰子は突然
額
(
ひたひ
)
から団扇を
放
(
はな
)
して、
静
(
しづ
)
かな姿勢を崩した。
横
(
よこ
)
を向いて
硝子越
(
がらすごし
)
に庭を眺めてゐる。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
出窓の
硝子越
(
がらすごし
)
に、娘の方が
往
(
ゆき
)
かえりの節などは、一体
傍目
(
わきめ
)
も
触
(
ふ
)
らないで、竹をこぼるる露のごとく、すいすいと
歩行
(
ある
)
く
振
(
ふり
)
、打水にも
褄
(
つま
)
のなずまぬ、はで姿、と思うばかりで
陽炎座
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
青
(
あを
)
い
木
(
き
)
の
葉
(
は
)
が
悉
(
ことごと
)
く
濡
(
ぬ
)
れて、
静
(
しづ
)
かな
湿
(
しめ
)
り
気
(
け
)
が、
硝子越
(
がらすごし
)
に代助の
頭
(
あたま
)
に
吹
(
ふ
)
き
込
(
こ
)
んで
来
(
き
)
た。
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
の
浮
(
う
)
いてゐるものは残らず
大地
(
だいち
)
の
上
(
うへ
)
に落ち
付
(
つ
)
いた様に見えた。代助は
久
(
ひさ
)
し
振
(
ぶ
)
りで
吾
(
われ
)
に
返
(
かへ
)
つた心持がした。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
一番窓に近い柳沢は、乱暴に胸を
反
(
そら
)
して振向いたが、
硝子越
(
がらすごし
)
に下を
覗
(
のぞ
)
いて見て
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
硝
常用漢字
中学
部首:⽯
12画
子
常用漢字
小1
部首:⼦
3画
越
常用漢字
中学
部首:⾛
12画
“硝子”で始まる語句
硝子
硝子戸
硝子窓
硝子扉
硝子杯
硝子張
硝子玉
硝子盃
硝子壜
硝子障子