石室せきしつ)” の例文
さてはなしまへもど古墳こふんなかには、どういふものがうづめられてゐるかとまをしますと、石棺せきかんあるひは石室せきしつなか死體したいをさめてあつたところ
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
何う云う訳でお前まア此様こんな棺桶へ入れられてうめられたのか知らんけれども死んだ人なれば穴を掘って墓場へ埋めなければならんが、本堂の石室せきしつの中へ入れて
水に酒を和して叮嚀に洗骨して別に造ってある石室せきしつの墓に収める習俗を生むようになったのである。
本朝変態葬礼史 (新字新仮名) / 中山太郎(著)
漸く人心地ひとここちに立ちかえりぬ、聞けば予が苦しさの余りに、仙台萩せんだいはぎ殿様とのさま御膳ごぜんを恋しく思いしよりも、なお待ちこがれし八合目の石室せきしつの炉辺にえられ、一行は種々の手段を施こし
竜動ロンドン巍々ぎぎたる大廈たいか石室せきしつなり、その市街に来往する肥馬軽車なり、公園の壮麗、寺院の宏大、これを作りてこれを維持するその費用の一部分は、遠く野蛮未開の国土より来りしものならん。
教育の目的 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
己は隠居してから心を著述にもつぱらにして、古本大学刮目こほんだいがくくわつもく洗心洞剳記せんしんどうさつき、同附録抄ふろくせう儒門空虚聚語じゆもんくうきよしゆうご孝経彙註かうきやうゐちゆうの刻本が次第に完成し、剳記さつきを富士山の石室せきしつざうし、又足代権太夫弘訓あじろごんたいふひろのりすゝめによつて、宮崎
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
内部ないぶ案外あんがい綺麗きれいでありますから、ちょっとこゝで住居じゆうきよしてもよいとおもふほどであります。道理どうりときには乞食こじきなどが、この石室せきしつんだりしてをります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
三人と共に猛烈なる吹雪にさえぎられあるいは依頼品を吹飛ばさるる等、僅かに必要の文書類を、倔強くっきょうなる二人に依頼して持ち行かしめ、他はな八合目の石室せきしつに止まりたりしも如何にも残念なりとて
それですからこの横穴よこあな古墳こふん石室せきしつおな意味いみのものでありまして、そのつくかた大體だいたいにおいてよくてをります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)