眞田さなだ)” の例文
新字:真田
肌を押し脱ぐと、背筋を眞ん中にして、左右へ三枚づつ、眞田さなだもんのやうに、六文錢の文身、これは何となく方がきいて居りました。
煙草盆たばこぼんかうかをりのみして、にいまだ人影ひとかげなきとき瀧君たきくん光景くわうけいは、眞田さなだ六文錢ろくもんせん伏勢ふせぜいごとく、諸葛亮しよかつりやう八門遁甲はちもんとんかふそなへる。
九九九会小記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
宗助そうすけ廣島ひろしまかへるともなく、叔父をぢその賣捌方うりさばきかた眞田さなだとかいふ懇意こんいをとこ依頼いらいした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
屏風を建廻たてまわして、武張ったお方ゆえ近臣に勇ましい話をさせ昔の太閤たいこうとか、又眞田さなだは斯う云う計略はかりごとを致しました、くすのきは斯うだというようなお話をすると、少しはまぎれておいでゞございます。
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
つれたる浪人體らうにんていの者夫婦づれとも言べき樣子にて男の衣類は黒羽二重の紋付もんつきに下には縞縮緬しまちりめんの小袖を着し紺博多こんはかたの帶をしめ大小なども相應なるを帶して更紗さらさの風呂敷包み二つ眞田さなだひもにて中をくゝり是を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)