目遣めづかひ)” の例文
満枝はさすがあやまちを悔いたる風情ふぜいにて、やをら左のたもとひざ掻載かきのせ、牡丹ぼたんつぼみの如くそろへる紅絹裏もみうらふりまさぐりつつ、彼のとがめおそるる目遣めづかひしてゐたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
安井やすゐ自身じしんもそんな心持こゝろもちがするとつて、わざ/\襯衣しやつそでまくげて、青筋あをすぢはひつたうでひとりでてゐた。御米およねうれしさうにかゞやかした。宗助そうすけにはその活溌くわつぱつ目遣めづかひことめづらしく受取うけとれた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)