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痒
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か
ふりがな文庫
“
痒
(
か
)” の例文
そしてその毛の残つた処は非常な
痒
(
か
)
ゆさを感じたり、或は痛んで脹れ上つたりさへもする。それはよくビロオドのやうな幼虫とまちがへられる。
科学の不思議
(新字旧仮名)
/
ジャン・アンリ・ファーブル
(著)
人間の取り扱が
俄然豹変
(
がぜんひょうへん
)
したので、いくら
痒
(
か
)
ゆくても人力を利用する事は出来ん。だから第二の方法によって
松皮
(
しょうひ
)
摩擦法
(
まさつほう
)
をやるよりほかに分別はない。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
旦那が少し
春気
(
はるけ
)
で
頭髪
(
あたま
)
が
痒
(
か
)
いゝから床屋を呼びにやってくれと云うと、はてな、まだ
毎
(
いつ
)
もより少し刈込みがお早いが、それには何処かへお
出
(
いで
)
なさるのだろう
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
声がまた大きなバスで、人を見ると鼻の横を
痒
(
か
)
き
痒
(
か
)
き、細い眼でいつも又この人は笑ってばかりいたが、この叔母ほど村で好かれていた女の人もあるまいと思われた。
洋灯
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
あまのじゃくがどっかで
哄笑
(
わら
)
っている、私は悲しくなってくると、足の裏が
痒
(
か
)
ゆくなるのだ。一人でしゃべっている男のそばで、私はそっと、月に鏡をかたぶけて見た。
新版 放浪記
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
▼ もっと見る
なにしろ年をとりますと禿げますせいか、頭が始終、
痒
(
か
)
ゆうございまして、時ならないときに梳き度くなるのでございます。ほんとに我儘をさせて頂いて申訳ございません。
或る秋の紫式部
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
過去を聯想するには、その時代、その時分にはやつた流行歌をうたつて見るに限る——日清談判破裂して……この歌を低吟すると霜やけの
痒
(
か
)
ゆかつた幼年時の冬が思ひ出される。
老残
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
忍耐
(
がまん
)
が出来るまでは口にする人じゃなし、それに、ああすればこうと、ポンといえば灰吹きどころじゃなく心持ちを読んで、
痒
(
か
)
ゆいところへ手の届くように、相手に口をきらせやしないから
マダム貞奴
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
三人ともまるで仕事みたいに気を入れてやってる。海老茶色ルバーシカの男は、真面目くさった顔つきで、ときどき横っ腹を着ているものごと
痒
(
か
)
きながら、札をひろったり、捨てたりしている。
ズラかった信吉
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
私は鼻をつまんで、三度まわって、それから片手でコップの水を二拝して一息で飲む、というまじないを、再三再四、
執拗
(
しつよう
)
に試みたが、だめであった。耳の
孔
(
あな
)
が、しきりに
痒
(
か
)
ゆい。これも怪しかった。
春の盗賊
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
むづ
痒
(
か
)
ゆいやうな、気の抜けた、さみしい、弱い、せうことなしの
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
俊亮は、むず
痒
(
か
)
ゆそうに頬をゆがめた。
次郎物語:02 第二部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
と栖方は低く笑いながら、額に
日灼
(
ひや
)
けの
条
(
すじ
)
の入った頭を
痒
(
か
)
いた。狂人の寝言のように
無雑作
(
むぞうさ
)
にそう云うのも、よく聞きわけて見ると、恐るべき光線の秘密を呟いているのだった。
微笑
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
田口はこう云って、自分の前に引きつけた
手提煙草盆
(
てさげたばこぼん
)
の
抽出
(
ひきだし
)
を開けると、その中から
角
(
つの
)
でできた細長い
耳掻
(
みみかき
)
を
捜
(
さが
)
し出した。それを右の耳の中に入れて、さも
痒
(
か
)
ゆそうに
掻
(
か
)
き廻した。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
吸入器の湯気の
触
(
さは
)
りの頬に
痒
(
か
)
ゆくいくたびか拭きてなほ
暫時
(
しまし
)
あり
雀の卵
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
吸入器の
痒
(
か
)
ゆき湯気ふくしまらくを幽かに雪もふれなとぞ思ふ
雀の卵
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
声あげて笑ふ
男子
(
をのこ
)
が眼の
痒
(
か
)
ゆさ
霹靂
(
はたたがみ
)
なし妻に
嘖
(
ころ
)
ばゆ
雀の卵
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
痒
漢検1級
部首:⽧
11画
“痒”を含む語句
痛痒
歯痒
羞痒
齒痒
隔靴掻痒
痛痒相冒
齒痒相
齋痒
閔致痒
薄痒
羽痒
痾痒
催痒性
痒序
擽痒感覚
擽痒
揩磨苛痒風助威
掻痒記
掻痒
奇痒