病後びやうご)” の例文
長吉ちやうきち病後びやうご夕風ゆふかぜおそれてます/\あゆみを早めたが、しか山谷堀さんやぼりから今戸橋いまどばしむかうに開ける隅田川すみだがは景色けしきを見ると、どうしてもしばら立止たちどまらずにはゐられなくなつた。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
きみ御存知ごぞんぢごと病後びやうごせき字社じしや醫者いしやすゝめられて二ヶ月間げつかんこの湯原ゆがはら滯在たいざいしてときである。
湯ヶ原より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
へびしばら凝然ぢつとしてきはめておもむろに棺臺くわんだいしたかくれた。卯平うへいかほ黄昏たそがれひかりあをかつた。かれはそれから他出たしゆつすることもまれになつた。恢復くわいふくしかけた病後びやうご疲勞ひらうよるねばるやうなあせ分泌ぶんぴさせた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)