田作ごまめ)” の例文
憎くしと思へど流石に義理はらき物かや、母親かげの毒舌をかくして風引かぬやうに小抱卷何くれと枕まで宛がひて、明日の支度のむしり田作ごまめ
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
私はいつものとおり、道具を竿につけて、静かに竿を上げ下げしたが、その日はどうしたわけか全く駄目で、田作ごまめほどの小鮎が、二、三尾釣れたばかりであった。
想い出 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
多分昆布巻、数の子、田作ごまめという、昔ながらの品々が、膳の上に並んでいたのであろう。
御馳走の話 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
もとより簡素な食事で、大名の倅の忠弘から見れば、これで人間が生きて行くのが不思議な位ですが、ひもじい時の何んとやらで、沢庵たくあんの尻尾も照り田作ごまめも、時に取っての珍味でないものはありません。
甲州の山の中から出て来た勝っ気で勘定高い小倅こせがれが一人、あの近所に住んでいるんでございます、こいつが田作ごまめの歯ぎしりで、ヒドク薩州のおさむらいを恨んでいるんですから、あいつをつっついて
大菩薩峠:20 禹門三級の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
田作ごまめ 三・六八 六九・二五 二一・七六 五・三一
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
外部の素人は田作ごまめの歯ぎしりでどうにもならない。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
田作ごまめの様にコチコチにならずに
『ほウ、田作ごまめじゃぞ』
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
くしとおもへど流石さすが義理ぎりらきものかや、母親はゝおやかげの毒舌どくぜつをかくしてかぜかぬやうに小抱卷こかいまきなにくれとまくらまであてがひて、明日あす支度したくのむしり田作ごまめ
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「ほう、田作ごまめじゃ」
べんがら炬燵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
憎くしと思へどさすがに義理はらき物かや、母親かげの毒舌をかくして風引かぬやうに小抱巻こかいまき何くれとまくらまであてがひて、明日あすの支度のむしり田作ごまめ
大つごもり (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)