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玉霰
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たまあられ
上ても
片便り若しや
生別れにも成らんかと夫のみ心に
懸れりと袖に涙の
玉霰案事暮すぞ
道理なり偖妹のお富は名を
恁て
天に
雪催が
調ふと、
矢玉の
音たゆる
時なく、
丑、
寅、
辰、
巳、
刻々に
修羅礫を
打かけて、
霰々、
又玉霰。
引立れば藤八お節は
何分にもと
挨拶なし兩人は九助を見送るに九助も此方を
振返り互ひに
見交す顏と顏
是今生の
暇乞と三人が涙は
玉霰見送り見返り別れけり藤八は我と心を