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なせ
殘らず話し
又此頃湯屋にて
惡口されし事如何にも殘念に存て斯々は
爲ど盜みに入りしには非ずと申ければ是を聞て
皆々三郎兵衞は人に非ずと
憎み四郎右衞門を
憫然に思ひて町内申
合無盡を
思ひし深切に久八も大に
喜悦何商ひを初めたら
宜しからうと工夫を
爲ども元より大家の支配人の果なれば
小商ひの道を知ず
右左損毛多く夫
而已ならず久八は生れ付ての
慈悲心深く
貧しき者を
庄兵衞というて
今茲廿年餘り二つに成り未だ定まる
妻もなく母のお
勝と
二個消光を
爲ども茲等は
場末にて果敢々々しき
店子もなければ僅か
許の家主にては
生計の立ぬ所より庄兵衞は
片手業に貸本を