なせ)” の例文
新字:
殘らず話しまた此頃このごろ湯屋ゆやにて惡口あくこうされし事如何にも殘念に存て斯々はなせど盜みに入りしには非ずと申ければ是を聞て皆々みな/\三郎兵衞は人に非ずとにくみ四郎右衞門を憫然あはれに思ひて町内申あはせ無盡むじん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
思ひし深切に久八も大に喜悦よろこび何商なにあきなひを初めたらよろしからうと工夫をなせども元より大家の支配人の果なれば小商こあきなひの道を知ず右左とかく損毛そんもう多く夫而已のみならず久八は生れ付ての慈悲じひ心深くまづしき者を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
庄兵衞というて今茲ことし廿年はたち餘り二つに成り未だ定まるつまもなく母のおかつ二個消光ふたりぐらしなせども茲等は場末ばずゑにて果敢々々しき店子たなこもなければ僅かばかりの家主にては生計たつきの立ぬ所より庄兵衞は片手かたて業に貸本を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)