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燐火
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おにび
ふりがな文庫
“
燐火
(
おにび
)” の例文
何処
(
いずく
)
よりか来りけん、
忽
(
たちま
)
ち一団の
燐火
(
おにび
)
眼前
(
めのまえ
)
に現れて、高く
揚
(
あが
)
り低く照らし、
娑々
(
ふわふわ
)
と宙を飛び行くさま、われを招くに等しければ。
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
星の数ほど、はらはらと咲き乱れたが、森が暗く山が
薄鼠
(
うすねずみ
)
になって濡れたから、しきりなく梟の声につけても、その紫の
俤
(
おもかげ
)
が、
燐火
(
おにび
)
のようで
凄
(
すご
)
かった。
縁結び
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
まるで
燐火
(
おにび
)
のように生白く見えて来るにつれて、踊っている人達の身体の色がちょうど、地獄に堕ちた
亡者
(
もうじゃ
)
を見るように、赤や、緑色や、紫色に光って見えて来るんですって。
支那米の袋
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
罪
(
つみ
)
の
燐火
(
おにび
)
に燃えあがり
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
人は無くて、軒を走る、怪しき
狗
(
いぬ
)
が見えたであろう。紺屋の暖簾の鯛の色は、
燐火
(
おにび
)
となって燃えもせぬが、昔を知ればひづめの音して、馬の形も有りそうな、安東村へぞ着きにける。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
さきに路を照らせし
燐火
(
おにび
)
も、今こそ思ひ合はしたれ
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
時
(
とき
)
に、
廊下口
(
らうかぐち
)
から、
扉
(
とびら
)
の
透間
(
すきま
)
から、
差覗
(
さしのぞ
)
いて、
笑
(
わら
)
ふが
如
(
ごと
)
く、
顰
(
しか
)
むが
如
(
ごと
)
く、ニタリ、ニガリと
行
(
や
)
つて、
彼方此方
(
あちこち
)
に、ぬれ/\と
青
(
あを
)
いのは
紫陽花
(
あぢさゐ
)
の
面
(
かほ
)
である。
面
(
かほ
)
でない
燐火
(
おにび
)
である。いや
燈籠
(
とうろう
)
である。
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
弱った糸七は
沓脱
(
くつぬぎ
)
がないから、拭いた足を、成程釣られながら、
密
(
そっ
)
と振向いて見ると、
愁
(
うれい
)
を
瞼
(
まぶた
)
に含めて
遣瀬
(
やるせ
)
なさそうに、持ち忘れたもののような
半帕
(
ハンケチ
)
が、宙に薄青く、
白昼
(
まひる
)
の
燐火
(
おにび
)
のように見えて
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“燐火”の意味
《名詞》
夜間、墓地などで空中をとぶ燐などか燃える火の玉。人魂。おにび。
(出典:Wiktionary)
燐
漢検準1級
部首:⽕
17画
火
常用漢字
小1
部首:⽕
4画
“燐”で始まる語句
燐寸
燐
燐光
燐寸箱
燐色
燐燧
燐憫
燐閃
燐枝
燐分