“煮湯(にえゆ)” の例文
ふん、そう言うと、わしばかりが悪人のようなれど、その松浦屋に、子飼いから奉公して、人がましくして貰うた癖に、主人に煮湯(にえゆ)を
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
細(ほそ)い針(はり)ほどな侏儒(いつすんぼふし)が、一(ひと)つ/\、と、歩行(ある)き出(だ)しさうな氣勢(けはひ)がある。吃驚(びつくり)して、煮湯(にえゆ)で雜巾(ざふきん)を絞(しぼ)つて、よく拭(ぬぐ)つて、先(ま)づ退治(たいぢ)た。
くさびら (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
みすみす煮湯(にえゆ)ば呑まして知らん顔をしているのだぞ! (段六が何か言おうとするのに押しかぶせて)うう、百姓は弱え、受身(うけみ)だ、弱えと
天狗外伝 斬られの仙太 (新字新仮名) / 三好十郎(著)
虐待(ぎやくたい)はずゐぶん酷(ひど)いやうです。或晩(あるばん)なぞ、鉄瓶(てつびん)の煮湯(にえゆ)をぶつかけて、首(くび)のあたりへ火焦(やけど)をさしたんでせう。さすがに驚(おどろ)いて、私(わたし)のところへやつて来(き)たんです。
彼女の周囲 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
蹴(け)られたり、後足で砂をかけられたり、苛(いじ)められて責(さいな)まれて、煮湯(にえゆ)を飲ませられて、砂を浴(あび)せられて、鞭(むち)うたれて、朝から晩まで泣通しで、咽喉(のど)がかれて、血を吐いて
化鳥 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
黄金(こがね)のためには、どんな友だちに、どんな煮湯(にえゆ)を呑まそうと平気な広海屋——黄金の力さえあれば、人間、買うことは、何でも出来ると、高を括(くく)っている広海屋——へん、どれほど
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)