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渓水
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たにみず
ふりがな文庫
“
渓水
(
たにみず
)” の例文
旧字:
溪水
ああ神よ、鹿の
渓水
(
たにみず
)
を慕い
喘
(
あえ
)
ぐがごとく、わが霊魂も汝を慕い喘ぐなり。わが霊魂は渇けるごとくに神を慕う、活ける神をぞ慕う。
イエス伝:マルコ伝による
(新字新仮名)
/
矢内原忠雄
(著)
山は焼け、
渓水
(
たにみず
)
は
死屍
(
しし
)
で埋もれ、悽愴な
余燼
(
よじん
)
のなかに、関羽、張飛は軍をおさめて、意気揚々、ゆうべの戦果を見まわっていた。
三国志:07 赤壁の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
山腹の左の方から
渓水
(
たにみず
)
が湧き出て滝のように流れています。それが深い谷に落ちて
淵
(
ふち
)
になったり、また岩に激して流れ出したりする変化が面白い。
大菩薩峠:11 駒井能登守の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
常の如く
斧
(
おの
)
を携へて山奥に入り、
柴立
(
しばだち
)
を踏分け
渓水
(
たにみず
)
を越え、二里ばかりも
躋
(
のぼ
)
りしが、
寥廓
(
りょうかく
)
たる平地に出でたり。
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
明
(
あきら
)
かで
寂
(
さ
)
びた調子が谷一面に反射して来る真中を、黒い筋が横に
蜿
(
うね
)
って動いている。
泥炭
(
でいたん
)
を含んだ
渓水
(
たにみず
)
は、
染粉
(
そめこ
)
を
溶
(
と
)
いたように古びた色になる。この山奥に来て始めて、こんな流を見た。
永日小品
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
もちろん、その何分の一かは、あだかも岩肌を伝う小さい
渓水
(
たにみず
)
みたいに彼の胸毛や
法衣
(
ころも
)
をビシャビシャにして地に吸われている。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
無数の
谷
(
やつ
)
や低い
山群
(
やまむれ
)
にかこまれている鎌倉の府は、自然、
渓水
(
たにみず
)
のせせらぎや、静かな川音が、街中のどこにもしていた。
私本太平記:01 あしかが帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
漠々
(
ばくばく
)
として白雲はふかい。
淙々
(
そうそう
)
として
渓水
(
たにみず
)
の音は
空
(
むな
)
しい。母親の乳ぶさから打ち捨てられた
嬰児
(
あかご
)
のように、城太郎は地だんだを踏んで泣きわめいた。
宮本武蔵:03 水の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
背後の岡には、草堂風な一
宇
(
う
)
が見え、道は楊柳を縫うて隠れ、
渓水
(
たにみず
)
は落ちて、荘院の庭に一
碧
(
ぺき
)
の鏡をたたえている。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
また何よりも、行軍に悩むものは水ですが、およそ桃の葉が落ちて
渓水
(
たにみず
)
に入り久しく腐るものは必ず激毒をもっていますから馬にも飲ませてはいけません。
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ピュッ——と誰かの手から
弦唸
(
つるうな
)
りを切って毒矢が飛んだ。けたたましい馬の悲鳴が、ふたたび谷間に
谺
(
こだま
)
して、腹に矢を突き立てた馬は渓流の中へ飛びこんで、
渓水
(
たにみず
)
を真っ赤にした。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
千早川の
渓水
(
たにみず
)
の音だけが、どこかに遠く——
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
渓
常用漢字
中学
部首:⽔
11画
水
常用漢字
小1
部首:⽔
4画
“渓”で始まる語句
渓
渓流
渓川
渓谷
渓間
渓河
渓蓀
渓々
渓壑
渓底