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深張
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ふかばり
ふりがな文庫
“
深張
(
ふかばり
)” の例文
自らは悟りすましたようにいったのであるが、何のおかみさん、日傘が
深張
(
ふかばり
)
になったのは、あえて勝山の流転のごとき、数の奇なるものではない。
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
その日に限っては、主人の源ですら御しきれません——ところどころの松蔭に集る娘の群、紫絹の美しい
深張
(
ふかばり
)
を
翳
(
さ
)
した女連なぞは、叫んで逃げ廻りました。
藁草履
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
深張
(
ふかばり
)
の
涼傘
(
ひがさ
)
の影ながら、なお面影は透き、色香は
仄
(
ほの
)
めく……心地すれば、
誰
(
たれ
)
憚
(
はばか
)
るともなく
自然
(
おのず
)
から
俯目
(
ふしめ
)
に
俯向
(
うつむ
)
く。
伯爵の釵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
深張
(
ふかばり
)
の
涼傘
(
ひがさ
)
の影ながら、
尚
(
な
)
ほ
面影
(
おもかげ
)
は透き、
色香
(
いろか
)
は
仄
(
ほの
)
めく……
心地
(
ここち
)
すれば、
誰
(
たれ
)
憚
(
はばか
)
るともなく
自然
(
おのず
)
から
俯目
(
ふしめ
)
に
俯向
(
うつむ
)
く。
伯爵の釵
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
さらば、といって、土手の下で、分れ
際
(
ぎわ
)
に、やや遠ざかって、見返った時——その紫の
深張
(
ふかばり
)
を帯のあたりで横にして、少し
打傾
(
うちかたむ
)
いて、
黒髪
(
くろかみ
)
の
頭
(
かしら
)
おもげに見送っていた姿を忘れぬ。
春昼後刻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
言問
(
こととひ
)
の
曲角
(
まがりかど
)
で、
天道
(
てんだう
)
是
(
ぜ
)
か
非
(
ひ
)
か、
又
(
また
)
一組
(
ひとくみ
)
、
之
(
これ
)
は
又
(
また
)
念入
(
ねんいり
)
な、
旦那樣
(
だんなさま
)
は
洋服
(
やうふく
)
の
高帽子
(
たかばうし
)
で、
而
(
そ
)
して
若樣
(
わかさま
)
をお
抱
(
だ
)
き
遊
(
あそ
)
ばし、
奧樣
(
おくさま
)
は
深張
(
ふかばり
)
の
蝙蝠傘
(
かうもりがさ
)
澄
(
すま
)
して
押並
(
おしなら
)
ぶ
後
(
あと
)
から、はれやれお
乳
(
ち
)
の
人
(
ひと
)
がついて
手
(
て
)
ぶらなり。
弥次行
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「日、日傘をさしてお
歩行
(
ある
)
きなさいな、
深張
(
ふかばり
)
でなくってもです。」
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
深
常用漢字
小3
部首:⽔
11画
張
常用漢字
小5
部首:⼸
11画
“深張”で始まる語句
深張傘