“ふかばり”の漢字の書き方と例文
語句割合
深張100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
深張ふかばり涼傘ひがさの影ながら、面影おもかげは透き、色香いろかほのめく……心地ここちすれば、たれはばかるともなく自然おのずから俯目ふしめ俯向うつむく。
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
さらば、といって、土手の下で、分れぎわに、やや遠ざかって、見返った時——その紫の深張ふかばりを帯のあたりで横にして、少し打傾うちかたむいて、黒髪くろかみかしらおもげに見送っていた姿を忘れぬ。
春昼後刻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
言問こととひ曲角まがりかどで、天道てんだうか、また一組ひとくみこれまた念入ねんいりな、旦那樣だんなさま洋服やうふく高帽子たかばうしで、して若樣わかさまをおあそばし、奧樣おくさま深張ふかばり蝙蝠傘かうもりがさすまして押並おしならあとから、はれやれおひとがついてぶらなり。
弥次行 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)