淡雪あはゆき)” の例文
もとの蔦屋つたや旅館りよくわん)のおよねさんをたづねようとふ……る/\つもゆきなかに、淡雪あはゆきえるやうな、あだなのぞみがあつたのです。
雪霊続記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
豊島与志雄君の『生あらば』、久米正雄君の『エロスの戯れ』、谷崎精二君の『淡雪あはゆき』この三つをも読んで見た。
自他の融合 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
ゆめのやうにきえうせる淡雪あはゆきりんご
藍色の蟇 (新字旧仮名) / 大手拓次(著)
波に消え行く淡雪あはゆき
若菜集 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
ひと半鉦ばんとほあかり、それゆめえて、あかつきしもきかさぬる灰色はひいろくもあたらしき障子しやうじあつす。ひとり南天なんてん色鳥いろどり音信おとづれを、まどるゝよ、とれば、ちら/\と薄雪うすゆき淡雪あはゆき
月令十二態 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)