海賊船かいぞくせん)” の例文
あゝ、海賊船かいぞくせんか、海賊船かいぞくせんか、しもあのふね世界せかい名高なだか印度洋インドやう海賊船かいぞくせんならば、そのふねにらまれたるわが弦月丸げんげつまる運命うんめい最早もはや是迄これまでである。
海賊船かいぞくせんかもわからないものを、このままにだまってはいられない。すぐにとどなければ……。」と、一人ひとりがいいました。
カラカラ鳴る海 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「こりゃふしぎだ、いま奥方のともに加わっていったやつは、たしかに、いつぞや海賊船かいぞくせんで別れた和田呂宋兵衛わだるそんべえ、ひとりは裾野すその蚕婆かいこばばあによく似たやつだ……はて、みょうだわい」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
成程なるほどいてれば、わたくしおもあたふしいでもない。また、海賊船かいぞくせん海蛇丸かいだまる一條いちじやうについては、席上せきじやういろ/\なはなしがあつた。
八幡船ばはんせん遠州灘えんしゅうなだへかかった時から、伊那丸の意識いしきはなかった。この海賊船かいぞくせんが、どこへ向かっていくかも、おのれにどんな危害がせまりつつあるのかも、かれはすべてを知らずにいる。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
眞個ほんとうに/\、海軍かいぐん叔父おぢさんが海賊船かいぞくせん退治たいぢするなら、わたくしてき大將たいしやう勝負しようぶけつしようとおもふんです。』