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かいけう
獨、
露艦の
敬禮に
向つて
謝意を
表しつゝ、
大小ニコバル
島とサラン
島とを
右舷と
左舷とに
眺めて、
西と
東との
分れ
道なるマラツカ
海峽をもいつしか
夢の
間に
※ぎ
たゞ二つ三つ
記臆に
留つて
居るのは
斯る
平和の
間にも
不運の
神は
此船の
何處にか
潜伏んで
居つたと
見え、
船のメシナ
海峽を
出んとする
時、
一人の
船客は
海中に
身を
投げて
無殘の
最後を
遂げた
事と