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泥沼
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どろぬま
ふりがな文庫
“
泥沼
(
どろぬま
)” の例文
個性だけでは知らず知らずの間に落ち込みやすい
苟安自適
(
こうあんじてき
)
の
泥沼
(
どろぬま
)
から引きずり出して、再び目をこすって新しい目で世界を見直し
連句雑俎
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
痩
(
やせ
)
たりや/\、病気
揚句
(
あげく
)
を恋に
責
(
せめ
)
られ、
悲
(
かなしみ
)
に絞られて、此身細々と心
引立
(
ひきたた
)
ず、
浮藻
(
うきも
)
足をからむ
泥沼
(
どろぬま
)
の
深水
(
ふかみ
)
にはまり
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
捻
(
つね
)
つても
確
(
たしか
)
に
活返
(
いきかへ
)
つたのぢやが、
夫
(
それ
)
にしても
富山
(
とやま
)
の
薬売
(
くすりうり
)
は
何
(
ど
)
うしたらう、
那
(
あ
)
の
様子
(
やうす
)
では
疾
(
とう
)
に
血
(
ち
)
になつて
泥沼
(
どろぬま
)
に。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
君の父上と兄上と妹とが気をそろえて水入らずにせっせと働くにも係わらず、そろそろと
泥沼
(
どろぬま
)
の中にめいり込むような家運の衰勢をどうする事もできなかった。
生まれいずる悩み
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
そこにはうっかり通りかかるとひっかからずには居られない
陥穽
(
かんせい
)
や、飛びこむと再び外へ出られないような
泥沼
(
どろぬま
)
を用意して置いたのです。ひっかかったものが不運なんです。
省線電車の射撃手
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
▼ もっと見る
「いやいや、君はやっぱりこの商売に取りついて行くんだ。
泥沼
(
どろぬま
)
のなかに育って来た人間は、泥沼のなかで生きて行くよりほかないんだ。現に商売が成り立ってる人もあるじゃないか。」
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
実は、自分も永年の遍歴の間に、思索だけではますます
泥沼
(
どろぬま
)
に陥るばかりであることを感じてきたのであるが、今の自分を突破って生まれ変わることができずに苦しんでいるのである、と。
悟浄出世
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
泥沼
(
どろぬま
)
はこれ
金銀瑠璃
(
こんごんるり
)
畑の祭
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
ともすれば君の油断を見すまして、
泥沼
(
どろぬま
)
の中からぬるりと頭を出す水の精のように、その企図は心の底から現われ出るのだ。君はそれを極端に恐れもし、憎みもし、卑しみもした。
生まれいずる悩み
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
丙は時として
荊棘
(
けいきょく
)
の小道のかなたに広大な
沃野
(
よくや
)
を発見する見込みがあるが、そのかわり不幸にして底なしの
泥沼
(
どろぬま
)
に足を踏み込んだり、思わぬ
陥穽
(
かんせい
)
にはまって
憂
(
う
)
き目を見ることもある。
自由画稿
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
……際限もなく広い浅い
泥沼
(
どろぬま
)
のような所に
紅鶴
(
フラミンゴー
)
の群れがいっぱいいると思ったら、それは夢であった。時計を見ると四時であるのに周囲が騒がしい。甲板へ出て見るともうポートセイドに着いていた。
旅日記から
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
泥
常用漢字
中学
部首:⽔
8画
沼
常用漢字
中学
部首:⽔
8画
“泥”で始まる語句
泥
泥濘
泥鰌
泥土
泥溝
泥棒
泥坊
泥水
泥酔
泥亀