“どろぬま”の漢字の書き方と例文
語句割合
泥沼100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
君の父上と兄上と妹とが気をそろえて水入らずにせっせと働くにも係わらず、そろそろと泥沼どろぬまの中にめいり込むような家運の衰勢をどうする事もできなかった。
生まれいずる悩み (新字新仮名) / 有島武郎(著)
そこにはうっかり通りかかるとひっかからずには居られない陥穽かんせいや、飛びこむと再び外へ出られないような泥沼どろぬまを用意して置いたのです。ひっかかったものが不運なんです。
省線電車の射撃手 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「いやいや、君はやっぱりこの商売に取りついて行くんだ。泥沼どろぬまのなかに育って来た人間は、泥沼のなかで生きて行くよりほかないんだ。現に商売が成り立ってる人もあるじゃないか。」
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)