水鳥みづとり)” の例文
といふのは、水鳥みづとりが、なみうへることからうつつてて、人間にんげんにも、舟旅ふなたび夜泊よどまりの場合ばあひもちひます。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
うをもすら/\およぐだらうし、まつにはふぢいてるさうだし、つゝじ、山吹やまぶき、とり/″\だとふ、あひだを、ふねかげおどろいて、パツとれて水鳥みづとりつたり、かもめおよいでたり……
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
討手うつての大將、三位中將維盛卿これもりきやう赤地あかぢの錦の直垂ひたゝれ萌黄匂もえぎにほひの鎧は天晴あつぱれ平門公子へいもんこうし容儀ようぎに風雅の銘を打つたれども、富士河の水鳥みづとりに立つ足もなき十萬騎は、關東武士の笑ひのみにあらず。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
見ればたゞ何の苦もなき水鳥みづとりの足にひまなきわがおもひかな
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
あるひほの水鳥みづとりのそことしもなきのうれひ
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)