死様しによう)” の例文
旧字:死樣
もと/\お前の為に家出をしてこんな死様しにようをしたのだからお前何卒どうぞお線香の一本も上げて回向をしてやっておくれ
闇夜の梅 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「もう四半刻はんときも前に人をやったが、何んとも返事がありません。跡取がこんな死様しにようをしたことが世上の噂に上ると、家名に拘わるとでも思って居るんだろう」
人間として衝突は自然の約束であります。先生もよく/\思い込まるればこそ、彼死様しにようをされた。そうしていつわることをぬトルストイ家の人々なればこそ、彼あらそいもあったのでしょう。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
怪しき死様しによう遊ばしたが、そんなら得三、おのれがかい。「おう、おれだ。驚いたか。 ...
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
あたしを捨てて逃げるような料見だから、お前さんは一生涯ろくなことは無い。終局しまいには必然きっとむご死様しにようをするよ。」と、お杉は鬼のような顔をして、常に夫を呪った。重蔵はいよいよお杉に飽いた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
へえわたしも茂之助の忰であります、母といもとは村上松五郎とお瀧の為に彼様あんな非業の死様しにようを致しましたのは、親父が間違えて母親おふくろを殺したんでございますが、実に驚きまして途方に暮れ
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
と有合わした小遣を遣り、子供を抱いたりおぶったり致して、番頭立合で往って見ると、なさけなき死様しにようだ、常に落著おちつきまして中々切腹する様な人では無いが、何う云う訳か頓と分らない。
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
それでも何かお瀧と云うものを尊宅あなたへお連れ帰りなすって、目を掛けお使いなすった処が、其の者が案外盗賊どろぼうで、これこれいうお尋ね者ゆえ、あゝ云う死様しにようをするのも天罰だと仰しゃったが
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
私もその支度もし、別に抱えも仕たいと思うからそれに当箝あてはめ、借金も返す約束に成っている処が、ぽかりと外れてしまった実に困ったのサ、だがね何うしてあの方があんな死様しにようを為すったろう
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
作「三藏かえ、あれはねばアさまが死んだから其の白骨を本当の紀州の高野へ納めに往くって、祠堂金しどうきんも沢山持ってる様子だ、お累さんもあゝいう死様しにようをしたのも矢張やっぱりめえら二人でした様なものだぜ」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)