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鎌倉時代には、ここの檜が都へ送られ、仏師の彫刀に刻まれたらしい史証もあるとか。で、観心寺には、尾山おさんの山号もある。
随筆 私本太平記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
好い松の樹の樹も兎角に何かの縁でしんが折られたり止められたりして、そして十二分の発達をせずに異様なものになって終うのが世の常である。
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
いけて置いた丹波栗たんばぐりが芽を出す。何やらかやら皆大きくなり、おまけに隣地のの木までが林のように茂って来て、目隠しにはよいが日陰が多くなった。
庭の清潔きれいなこと、赤松の一と抱えもあるのがあり、其の下に白川御影しらかわみかげ春日燈籠かすがどうろうがあり、の木の植込うえご錦木にしきゞのあしらい、下草の様子、何やかや申分もうしぶんなく
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
僕はもう十年あまり前、確か久米正雄氏と一しよに「草土社さうどしや」の展覧会を見物した後、久米氏の「この庭のを見ても、『草土社』的に見えるのは不思議だよ」
雪之丞の官女が、花道の七三にかかって、おうぎをかざしたとき、東桟敷の紫幔幕の下に、そッとつつましく坐った、高島田の美女のひとみに、ありありと、讃嘆のかがやきが漲った。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
はだらかに雪の見ゆるはの森の黒木の山に降れる故にぞ
みなかみ紀行 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
黒きの沈静にしてうつしけき、花をさまりてのちにこそ観め
黒檜 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
矛杉ほこすぎを、のつらなみを
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
その一つは板葺き一派の三角のゆるいひらたいもので、ささ板やこけら板で葺いたのから、はだ、杉皮すぎかわの屋根まであり、現在さかんに建っている瓦葺かわらぶきもその中にふくめてよい。
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
の縄のはらはらに
海豹と雲 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)