“檜山”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひのきやま50.0%
ひやま50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
夏の陽が対岸の檜山ひのきやまこずえの向こうへ沈んでしまうと蝙蝠こうもり宵闇よいやみの家々の屋根を、かすめるようにして飛び廻わり、藪原は夜になるのであった。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
自分はこんな景色でなければ楽しいとは思えぬ。要するに宗近と自分とは檜山ひのきやま花圃はなばたけちがいで、本来からしょうが合わぬから妙な感じがするに違ない。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
檜山ひやま! これを見ろ!』と言って腹の真っ赤な山鰷やまばえの尺にも近いのを差し上げて見せた。そして自慢そうに、うれしそうに笑った。
河霧 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
さるほどにある日のこと、そまの一むれが樹を伐らうずとて、檜山ひやまふかくわけ入つたに、この山男がのさのさと熊笹の奥から現れたれば、もてなし心に落葉をいて、徳利の酒を暖めてとらせた。
きりしとほろ上人伝 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)