檜山ひのきやま)” の例文
夏の陽が対岸の檜山ひのきやまこずえの向こうへ沈んでしまうと蝙蝠こうもり宵闇よいやみの家々の屋根を、かすめるようにして飛び廻わり、藪原は夜になるのであった。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
自分はこんな景色でなければ楽しいとは思えぬ。要するに宗近と自分とは檜山ひのきやま花圃はなばたけちがいで、本来からしょうが合わぬから妙な感じがするに違ない。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
(あなたのご領内にも、杉山すぎやま檜山ひのきやまがおありでしょうが——)
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)