楠木くすのき)” の例文
「病身だと、いつでも死ぬ覚悟をしているから……。それより私の智恵はどう! ……。女楠木くすのきと云ってもいいでしょう」
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
窓からうかがわれる河内平野の、朝霧の景色をご覧になりながら、舎弟正季まさすえと恩地太郎とを連れた、楠木くすのき正成と顔を合わした。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
わたくし地上ちじょうったころ朝廷ちょうていみなみきたとのふたつにわかれ、一ぽうには新田にった楠木くすのきなどがひかえ、他方たほうには足利あしかがその東国とうごく武士ぶしどもがしたがい、ほとんど連日れんじつ戦闘たたかいのないとてもない有様ありさまでした……。
信長は、そこに入城すると、すぐしたためておいた折檻状を、中野又兵衛、楠木くすのき長安、宮内卿法印くないきょうほういんの三人にあずけ
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「一芸一能ある人間と見ると、きっとお用いになる楠木くすのき様だよ。お前たちきっと重用されるよ」
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
あまさきの城主青山家あおやまけの領内で、兵庫ひょうご坂本村さかもとむら畠地はたちであるが、すぐ西南四、五町ほどさきに、湊川みなとがわの流れがあり、遠く延元えんげん元年五月の楠木くすのき足利あしかが両氏の古戦場としても知れているので
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
楠木くすのきはまだ生きている!」
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
楠木くすのきたずね
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)