トップ
>
杵屋
>
きねや
ふりがな文庫
“
杵屋
(
きねや
)” の例文
『四つの海』は今なお
杵屋
(
きねや
)
の一派では用いている
謡物
(
うたいもの
)
の一つで、これも抽斎が多方面であったということを証するに足る作である。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
元園町
(
もとぞのちょう
)
に接近した
麹町
(
こうじまち
)
三丁目に、
杵屋
(
きねや
)
お
路久
(
ろく
)
という長唄の師匠が住んでいた。その娘のお花さんというのが評判の美人であった。
思い出草
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
キネマ・ファンちう者は日本にも居るそうで。私は又、
杵屋
(
きねや
)
勘五郎が風邪引いたかと思うておりましたが……アハハハ。
近世快人伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
と、それを待っていたかのように、隣家の
杵屋
(
きねや
)
にいっせいにお稽古の声が湧いて、きイちゃん、みイちゃんの桃割れ達が賑やかに黄色い声をはりあげた。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「
家
(
うち
)
へは来ませんがね、この先の
杵屋
(
きねや
)
さんにゃ毎日
通
(
かよ
)
ってますよ。もう
直
(
じ
)
き
葭町
(
よしちょう
)
へ出るんだっていいますがね……。」とお豊は何か考えるらしく
語
(
ことば
)
を切った。
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
薙
(
なぎなた
)
町にいたとき聞いた知恵で、松井町の
杵屋
(
きねや
)
という店を訪ね、どうやら三両という金を借りることができた。
やぶからし
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
それが
杵屋
(
きねや
)
であろうと
岡安
(
おかやす
)
であろうと、別に天下の助五郎の興味を惹くだけの問題でもなかった。
助五郎余罪
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
おやそさんの
姪
(
めい
)
が、
杵屋
(
きねや
)
勝梅という名取りになったが、まだよい弟子がないのだというのだ。
旧聞日本橋:07 テンコツさん一家
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
やがて
杵屋
(
きねや
)
連中の越後獅子が始まる。六葉奈の高島田が大分人の眼を惹いたようであった。
美音会
(新字新仮名)
/
佐藤垢石
(著)
書割
(
かきわり
)
のやうな
杵屋
(
きねや
)
の
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
元園町に接近した麹町三丁目に、
杵屋
(
きねや
)
お
路久
(
ろく
)
という長唄の師匠が住んでいた。その娘のお
花
(
はな
)
さんと云うのが評判の美人であった。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「
家
(
うち
)
へは来ませんがね、この
先
(
さき
)
の
杵屋
(
きねや
)
さんにや毎日
通
(
かよ
)
つてますよ。もう
直
(
ぢ
)
き
葭町
(
よしちやう
)
へ出るんだつて
云
(
い
)
ひますがね………。」とお
豊
(
とよ
)
は
何
(
なに
)
か考へるらしく
語
(
ことば
)
を切つた。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
そのあとが
馬場勝
(
ばばかつ
)
一派の
長唄
(
ながうた
)
——馬場は浅草橋の橋手前、
其処
(
そこ
)
に住む
杵屋
(
きねや
)
勝三郎といった長唄三味線の名人、
夜一夜
(
よひとよ
)
唄うにまかせ、狂うにまかせ、市中は明るい不眠症にかかって
旧聞日本橋:05 大丸呉服店
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
出るには足がかりもなく、釜は熱く成
旁
(
かた/″\
)
にて死に候事と相見え申候、母と嫁と小兒と丁穉一人つれ、貧道弟子
杵屋
(
きねや
)
佐吉が裏に親類御坐候而
夫
(
それ
)
へ
立退
(
たちのき
)
候故助り申候、一つの釜へ父子と丁穉一人
寿阿弥の手紙
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
女は内藤新宿の北裏に住んでいる
杵屋
(
きねや
)
お登久という師匠であった。
半七捕物帳:08 帯取りの池
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
杵
漢検準1級
部首:⽊
8画
屋
常用漢字
小3
部首:⼫
9画
“杵屋”で始まる語句
杵屋勝久
杵屋新次
杵屋花吉
杵屋正次郎