木屑きくづ)” の例文
何故なぜだらう、これはのこぎり所爲せゐだ、)とかんがへて、やなぎいたむといつたおしなことばむねうかぶと、また木屑きくづむねにかゝつた。
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
そして中へ虱を入れると、削りとつた木屑きくづで穴をふさいでおいたのである。
良寛物語 手毬と鉢の子 (新字旧仮名) / 新美南吉(著)
多分土藏の修繕でもした時、木屑きくづまぎれて殘つたのでせう。
おもひながら、えず拍子ひやうしにかゝつて、伸縮のびちゞみ身體からだ調子てうしつて、はたらかす、のこぎり上下じやうげして、木屑きくづがまたこぼれてる。
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
與吉よきちはとみかうみて、かたのあたり、むねのあたり、ひざうへひざまづいてるあしあひだ落溜おちたまつた、うづたかい、木屑きくづつもつたのを、くすのきでないかとおもつてゾツとした。
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
それ道理だうりよ、かよはない、みやくもない、たましひのない、たかゞ木屑きくづ木像もくざうだ。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)