“朋友(とも)” の例文
たゞ心清(すゞ)しく月日経ばやなどと思ひたることは幾度と無く侍り、睦(むつ)ぶべき兄弟(はらから)も無し、語らふべき朋友(とも)も持たず、何に心の残り留まるところも無し
二日物語 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
朋友(とも)想いの村上彦四郎は、八郎と彦七の身の上のことが、どうにも案じられてならないらしく、小山——と云っても丘ほどの小山を、上がったり下りたりして焦燥(いら)っていた。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
貞子夫人の姉たき子は紳商益田孝(ますだたかし)男爵の側室である。益田氏と山県氏とは単に茶事(ちゃじ)ばかりの朋友(とも)ではない。その関係を知っているものは、彼女たち姉妹のことを、もちつもたれつの仲であるといった。
明治美人伝 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
朋友(とも)と相交わるに至れば
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
お客(きやく)さまはお二階(にかい)なりといふ伴(ともな)はるゝ梯子(はしご)の一段(いちだん)又(また)一段(いちだん)浮世(うきよ)の憂(う)きといふ事(こと)知(し)らで昇(のぼ)り降(くだ)りせしこともありし其時(そのとき)の酌取(しやくと)り女(をんな)我(わ)が前(まへ)離(はな)れず喋々(てふ/\)しく欵待(もてな)したるが彼(か)の女(をんな)もし居(を)らば彌々(いよ/\)面目(めんぼく)なき限(かぎ)りなり其頃(そのころ)の朋友(とも)今(いま)も遊(あそ)びに來(こ)んは定(ぢやう)の物(もの)何(なに)ぞのは
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)