トップ
>
斟酌
>
しんしやく
ふりがな文庫
“
斟酌
(
しんしやく
)” の例文
今までの手口から見て、
無耻
(
むち
)
で、殘酷で、手加減も遠慮もないところを見ると、どう
斟酌
(
しんしやく
)
して考へても、人間らしい心の持主とは思へなかつたのです。
銭形平次捕物控:077 八五郎の恋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
此方
(
こつち
)
の身にも成つて少しは
斟酌
(
しんしやく
)
するが可いぢやないか。一文も費ひもせんで五百円の証書が書けると想ふかい
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
舞台で大勢に見せるものであるから、いかに実際だからと言つて、そこには多少の
斟酌
(
しんしやく
)
があつたものである。そんな露骨なことは舞台にはのぼせられないぢやないか。
社会と自己
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
こゝは
英雄
(
えいゆう
)
の
心事
(
しんじ
)
料
(
はか
)
るべからずであるが、
打
(
ぶち
)
まけられる
湯
(
ゆ
)
の
方
(
はう
)
では、
何
(
なん
)
の
斟酌
(
しんしやく
)
もあるのでないから、
倒
(
さかしま
)
に
湯瀧
(
ゆだき
)
三千丈
(
さんぜんぢやう
)
で、
流場
(
ながしば
)
一面
(
いちめん
)
の
土砂降
(
どしやぶり
)
、
板
(
いた
)
から、ばちや/\と
溌
(
はね
)
が
飛
(
と
)
ぶ。
銭湯
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
『いゝや、辞令は未だ。
尤
(
もつと
)
も義務年限といふやつが有るんだから、ただ
廃
(
や
)
めて行く訳にはいかない。そこは県庁でも余程
斟酌
(
しんしやく
)
して呉れてね、百円足らずの金を納めろと言ふのさ。』
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
けれども裁判長にはそれが何の
斟酌
(
しんしやく
)
にも値するものでないと思はれた。切手が剥げて居つたか、剥いで取つたか。そんな詳しい事まで取調べて居る暇がないと裁判長は思ふのであつた。
公判
(新字旧仮名)
/
平出修
(著)
それは結婚と云ふことがあるからであらうと思ふがと、
斟酌
(
しんしやく
)
をして居るやうな返事のしかたを弟はして居ました。
茂
(
しげる
)
の懐疑は
光
(
ひかる
)
のそれに比べられない程に根底が出来て居るらしいのです。
遺書
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
着
(
つけ
)
られしかども一旦中山殿奉行所にて
裁許
(
さいきよ
)
の有りし
事件
(
ことがら
)
なれば何と無く
斟酌
(
しんしやく
)
有て
暫時
(
しばらく
)
考
(
かんが
)
へ居られしが又猶申さるゝは其折道十郎なる者吟味
詰
(
づめ
)
に相成りし
譯
(
わけ
)
には之なく
牢死
(
らうし
)
爲
(
な
)
したる故其儘に成り
居
(
をり
)
しなり
存生
(
ぞんしやう
)
ならば外に吟味の致し方も有りしならん
然
(
しか
)
るに只今の一言奉行所の
不行屆
(
ふゆきとゞき
)
の樣に上の御
政度
(
せいど
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「三輪の親分には、そんな
斟酌
(
しんしやく
)
はありやしません。盛りの付いた
狂犬
(
やみいぬ
)
見たいなもので、何處へ噛み付くか——」
銭形平次捕物控:176 一番札
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「そんな
斟酌
(
しんしやく
)
は止してくれ。仕事の上で、氣なんか惡くするものか」
銭形平次捕物控:310 闇に飛ぶ箭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「いや、もう、その
斟酌
(
しんしやく
)
には及びません」
銭形平次捕物控:317 女辻斬
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
斟
漢検1級
部首:⽃
13画
酌
常用漢字
中学
部首:⾣
10画
“斟”で始まる語句
斟
斟尽
斟野