こそぐ)” の例文
あるひはまた廷臣ていしんはなうへはしる、と叙任ぢょにん嗅出かぎだゆめる、あるひは獻納豚をさめぶた尻尾しっぽ牧師ぼくしはなこそぐると、ばうずめ、寺領じりゃうえたとる。
たださえ暑い陽が一層めまぐるしく、じっとりと手足が汗ばんできて、痛いほど全身がこそぐり回されるような、気がしてくるのです。
墓が呼んでいる (新字新仮名) / 橘外男(著)
明眸めいぼうの左右に樹立こだちが分れて、一条ひとすじ大道だいどう、炎天のもとひらけつゝ、日盛ひざかりの町の大路おおじが望まれて、煉瓦造れんがづくりの避雷針、古い白壁しらかべ、寺の塔などまつげこそぐる中に、行交ゆきかふ人は点々と蝙蝠こうもりの如く
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「然うですか、甚だ簡單な理由なんで。」と若い職員はこそぐるやうにいふ。
解剖室 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
ロミオ (從者にむかひ)おれには炬火たいまつれ。かる陽氣やうき手合てあひは、舞踏靴をどりぐつかゝと澤山たんと無感覺むかんかく燈心草とうしんぐさこそぐったがよい。おれは、祖父ぢゝい訓言通をしへどほり、蝋燭持らうそくもちをして高見たかみ見物けんぶつ
明眸めいぼうの左右に樹立こだちが分れて、一条ひとすじの大道、炎天のもとひらけつつ、日盛ひざかりの町の大路が望まれて、煉瓦造れんがづくりの避雷針、古い白壁しらかべ、寺の塔などまつげこそぐる中に、行交う人は点々と蝙蝠こうもりのごとく
伯爵の釵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)