まじは)” の例文
前生にありしときおのれをよくをさめ、慈悲の心もはらに、他人ことひとにもなさけふかくまじはりし人の、その善報によりて、今此のしやうに富貴の家にうまれきたり
雲根志うんこんし灵異れいいの部に曰、隣家となり壮勇さうゆうの者あり儀兵衛といふ。或時田上谷たがみだにといふ山中にゆき夜更よふけかへるに、むかうなる山の澗底たにそこより青く光りにじの如くのぼりてすゑはそらまじはる。
もしその尾上をのへうそぶきたち、大海原のあなたを見わたさむか、雲と濤とあひまじはり、風は霧のごとく、潮は煙に似たる間を分けわく船の帆影は、さながら空なる星かと見まがふばかりなり。
松浦あがた (新字旧仮名) / 蒲原有明(著)
雲根志うんこんし灵異れいいの部に曰、隣家となり壮勇さうゆうの者あり儀兵衛といふ。或時田上谷たがみだにといふ山中にゆき夜更よふけかへるに、むかうなる山の澗底たにそこより青く光りにじの如くのぼりてすゑはそらまじはる。
大宅おほや父子おやこ多くの物を二一〇まひして罪をふによりて、百日がほどにゆるさるる事を得たり。かくて二一一世にたちまじはらんも面俯おもてぶせなり。姉の大和におはすをとぶらひて、しばし彼所かしこに住まんといふ。