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手頭
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てさき
ふりがな文庫
“
手頭
(
てさき
)” の例文
お勢が笑らいながら「そんなに
真面目
(
まじめ
)
にお
成
(
なん
)
なさるとこう
成
(
す
)
るからいい」とくすぐりに懸ッたその
手頭
(
てさき
)
を払らい除けて文三が
熱気
(
やっき
)
となり
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
縮緬
(
ちりめん
)
の
小片
(
こぎれ
)
で叔母が
好奇
(
ものずき
)
に拵えた、
蕃椒
(
とうがらし
)
ほどの大きさの比翼の枕などがあった。それを見ても叔母の
手頭
(
てさき
)
の器用なことが解った。
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
女ながらも一念力! お照は声を
便
(
たより
)
にしっかと仙太の手を執りて、引揚げんとする時、後より這上らんとする男の、必死ともがく
手頭
(
てさき
)
にむずと袂を掴まれたり。
片男波
(新字新仮名)
/
小栗風葉
(著)
蒼
(
あを
)
く
羸
(
やつ
)
れたる直道が顔は
可忌
(
いまはし
)
くも白き色に変じ、声は
甲高
(
かんだか
)
に細りて、
膝
(
ひざ
)
に置ける
手頭
(
てさき
)
は
連
(
しき
)
りに震ひぬ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
かかすべからずと
強
(
し
)
いられてやっと受ける
手頭
(
てさき
)
のわけもなく
顫
(
ふる
)
え半ば
吸物椀
(
すいものわん
)
の上へ
篠
(
しの
)
を
かくれんぼ
(新字新仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
▼ もっと見る
渠
(
かれ
)
は
居去
(
いざ
)
りつつ
捜寄
(
さぐりよ
)
れば、
袂
(
たもと
)
ありて
手頭
(
てさき
)
に触れぬ。
取舵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
わななく
手頭
(
てさき
)
を引手へ懸けて、胸と共に障子を躍らしながら開けてみれば、お勢は机の前に
端坐
(
かしこま
)
ッて、一心に壁と
睨
(
にら
)
め
競
(
くら
)
。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
裁縫やお琴の
稽古
(
けいこ
)
でもしていれば、立派に年頃の
綺麗
(
きれい
)
な娘で通して行かれる養家の家柄ではあったが、
手頭
(
てさき
)
などの器用に産れついていない彼女は
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
「そういうわけじゃないのよお庄ちゃん。」とお増は小さい可愛い
手頭
(
てさき
)
に摘んだ巻莨などを
喫
(
ふか
)
して
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
手
常用漢字
小1
部首:⼿
4画
頭
常用漢字
小2
部首:⾴
16画
“手”で始まる語句
手
手拭
手前
手巾
手繰
手許
手向
手綱
手際
手燭