「残念乍ら、相手が無いよ、ガード下の光ちゃんは、とうの昔に愛憎を尽かして居るし、本社の受付嬢にも小当りに当って見たが」
「なあ、姉ちゃん、どうぞどうぞ、……頼りにするのん姉ちゃんばっかりやさかい、こんな話聞いても愛憎尽かさんといてエな。」
あれはお互ひに喧嘩をするなり愛憎つかしを言ふなりしてわかれて了ふか、さうでなければ、何だ貴様は! 馬鹿を言ふな
「ひどいことをするものだ、男のわしでさえ愛憎がつきた。もし、お岩さん、あんな薄情な男と、何時までいっしょにいねえで、いっそわたしと」
愛憎を盡かした人々の中に、彼れの兄だけは何處までも彼れの決心を飜へさうとした。今朝も兄はわざ/\彼れの實驗室までやつて來て、色々と話し合つてゐたのだ。
“愛憎”の意味
“愛憎”で始まる語句