惣領そうりやう)” の例文
すくはん爲に故意わざつみおちいりしならん何ぞ是を知らずして殺さんや其方は井筒屋茂兵衞ゐづつやもへゑ惣領そうりやうならんと申されければ雲源うんげんおどろき感じ今は何を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ところ惣領そうりやう甚六じんろくで、三男さんなんが、三代目さんだいめからやうとには、いまはじまつたことではなけれど、おやたちの迷惑めいわくが、はゞかりながら思遣おもひやられる。
麦搗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
けれども其夜そのよめづらしく、坂井さかゐ主人しゆじんは四十恰好がつかうひげのないひとであるとことやら、ピヤノをくのは惣領そうりやうむすめで十二三になるとことやら、またほかうち小供こどもあそびにても
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「いえ、町人のことですから、槍繰やりくりの方ばかりで、——尤も先代の主人榮左衞門樣は、苗字帶刀を許されて居る家の惣領そうりやうだからといふので、子供の時一二年ヤツトウの稽古をさせられたさうですが」
相糺あひたゞし候處嘉川主税之助惣領そうりやう藤五郎と申者に候と御旗本はたもとの事故内々ない/\申立てければ越前守殿是を聞れ扨々不行跡ふぎやうせき千萬なり是を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
惣領そうりやうの林太郎樣、二十三になる良い息子だが、ブラブラ病ひでお引籠りと言ふのは世間體の表向きで、その實、お腰元のお組といふ十九になる綺麗なのと丁度一と月前の先月の十三日の晩に手に手を
惣領そうりやうに相立度旨願ひし處願の通り仰付られしゆゑ主税之助はかねての望みの如くなりしとて大いによろこびしと雖も先代よりの家來は左右とかく藤五郎兄弟を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)