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御多分
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ごたぶん
ふりがな文庫
“
御多分
(
ごたぶん
)” の例文
僕も今度は
御多分
(
ごたぶん
)
に
洩
(
も
)
れず、焼死した
死骸
(
しがい
)
を
沢山
(
たくさん
)
見た。その沢山の死骸のうち最も記憶に残つてゐるのは、
浅草
(
あさくさ
)
仲店
(
なかみせ
)
の収容所にあつた病人らしい死骸である。
大正十二年九月一日の大震に際して
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「ナンダつまらない」その名前倒れを
露出
(
むきだし
)
にしながら、とにかくここで第一の旧家といわれる
角屋
(
すみや
)
の前に足をとどめてみても、
御多分
(
ごたぶん
)
に洩れぬ古くて汚ない構えである。
大菩薩峠:03 壬生と島原の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
M
氏
(
し
)
夫婦
(
ふうふ
)
がやつて
来
(
き
)
て、
型
(
かた
)
どほり
各人
(
かくじん
)
に
紹介
(
せうかい
)
されたが
彼
(
かれ
)
も
御多分
(
ごたぶん
)
に
洩
(
も
)
れず
唖
(
おし
)
であつた。
微笑の渦
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
明治十八年——世にいう
鹿鳴館
(
ろくめいかん
)
時代である。上下
挙
(
こぞ
)
って西洋心酔となり、何事にも改良熱が充満していた。京枝一座も
御多分
(
ごたぶん
)
に
洩
(
も
)
れず、洋装で
椅子
(
いす
)
にかけ
卓
(
テーブル
)
にむかって義太夫を語った。
竹本綾之助
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
一度の経験でも
御多分
(
ごたぶん
)
には
洩
(
も
)
れん。
箔屋町
(
はくやちょう
)
の大火事に
身代
(
しんだい
)
を
潰
(
つぶ
)
した旦那は板橋の一つ半でも
蒼
(
あお
)
くなるかも知れない。
濃尾
(
のうび
)
の震災に
瓦
(
かわら
)
の中から掘り出された
生
(
い
)
き
仏
(
ぼとけ
)
はドンが鳴っても念仏を
唱
(
とな
)
えるだろう。
趣味の遺伝
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
矢張
(
やつぱり
)
御多分
(
ごたぶん
)
には
漏
(
も
)
れぬ
方
(
はう
)
で、
頭
(
あたま
)
から
今
(
いま
)
の
雫
(
しづく
)
を
浴
(
あ
)
びた。
銭湯
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
“御多分”の意味
《名詞》
大多数の人が従うような意見や行動。
(出典:Wiktionary)
御
常用漢字
中学
部首:⼻
12画
多
常用漢字
小2
部首:⼣
6画
分
常用漢字
小2
部首:⼑
4画
“御多”で始まる語句
御多忙
御多聞
御多
御多界
御多端
御多角
御多人数
御多人數