御丁寧ごていねい)” の例文
そして木曾は、あいかわらずごろんごろんところがって、御丁寧ごていねいにも、怪物団の足もとまでころげおちて、やっとそこへからだは停まった。
大宇宙遠征隊 (新字新仮名) / 海野十三(著)
前夜ぜんやあめはれそら薄雲うすぐも隙間あひまから日影ひかげもれてはるものゝ梅雨つゆどきあらそはれず、天際てんさいおも雨雲あまぐもおほママかさなつてた。汽車きしや御丁寧ごていねい各驛かくえきひろつてゆく。
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
『さあ、潮時だ!』と、わたしは歯を食いしばりながらささやいて、上着のボタンを上まで掛け、御丁寧ごていねいに両のそでをたくし上げて、庭へ出かけて行った。
はつ恋 (新字新仮名) / イワン・ツルゲーネフ(著)
じつ此度このたび大喪使長官様たいさうしちやうくわんさまといふのは、よるもトロ/\まどろみたまふ事もございませんといふ、大層たいそう御丁寧ごていねいおつしやいますから、わたくしどもにはしたまはらなくつてひにくいくらゐで
牛車 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
そのうへあんたなんかは御丁寧ごていねいねん年中ねんぢう足首あしくびおも鐵鎖くさりまでめられてるんだ
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
年の瀬には御丁寧ごていねいなお葉書を頂戴いたしまして恐縮に存じております。
「これは、御丁寧ごていねいすぎる、おもてなし——」
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
ロミオ これはまた御丁寧ごていねいなお言葉ことばぢゃ。
いっているか。おれは、まだ、あきらめているわけじゃない。なければないで、これからもっと御丁寧ごていねいに、お二人さんをしらべるだけのことさ。裸にむいても、指の一本二本を
爆薬の花籠 (新字新仮名) / 海野十三(著)